今日のSEED。
これは面白い。物語が大転換して新しい方向に動き始めるエピソードでしょうか。
これだけやっているのに、アンバランスに安っぽすぎる戦闘シーンが寂しい限りですね。そもそも、モビルスーツというアイテムそのものがあまりに時代遅れでミスマッチであるところに、この安っぽさが重なっては、あまりに悲しすぎます。
という書き方ではまるで良くなかったかのような印象を持たれるかも知れませんが、そうではありません。今回は良かったのです。
個別のシーンでいうと。
「今度は俺が部下にしてやる、それまで死ぬんじゃないぞ」とアスランに言う顔に傷の少年。この二人の何とも言えない情感の交流がよく描かれているのが良いですね。人間は、そんなに単純なものではありません。
艦長とバジルールの別れの挨拶。ここがグッと来ますね。二人の間にある微妙なものがにじみ出ています。フラガと艦長の別れも、なかなかですね。
「あなた方がSEEDを持つ者」という台詞は、徐々に姿を現し始める、SEEDという言葉の意味?
攻撃に向かう先の気象が報告されるシーン。
ザフト軍は、パナマは欺瞞で、真の攻撃目標はアラスカ。これには敵も味方もびっくり。敵味方を超えた新しい状況を作り出しているようです。
バジルールとフラガの別れ。敬礼するバジルールに手を出すフラガ。その手をおずおずと取って握手するバジルール。本当にバジルールは良いキャラですね。
そして、去っていくフラガの背中を見て、何か失ったものに気付いたかのような表情になるバジルールが良いではありませんか。彼女は、本当に良いです。
誰と戦うのかと問われて、地球軍ともザフトとも戦わないというキラ。「僕たちは何と戦わなくてはならないか、少し分かった気がするから」と言うキラと、それに「分かりました」と答えるラクス嬢。キラのその言葉に不思議そうな顔をしないで、素直に分かりました、と言えるラクス嬢がなかなかです。
「ラクスクラインは平和の歌を歌います」という意味ありげなラクスの言葉。さりげなく伏線が張られてきたラクス嬢の隠された部分が、ようやく見え始めましたね。
誰もいない敵軍施設内を歩いていく金髪仮面の指揮官。それに気付くフラガ。ドアからこっそり見るがその影に気付く、という演出が最高です。
「ザフトの軍人さんのご挨拶」と言ってキラにザフトの敬礼を教えるラクス。敬礼も違うわけですね。幅を取らない旧海軍に近い敬礼?
キラにあげるモビルスーツの名前として、エックスワンオーエーと発音するラクス。本当は、天然系お嬢様ではなく、そういう言葉をさらっと言える訳ですね。
誘拐されるフレイ、というのは全く意外な展開ですね。これも、この先のドラマに深く関わりそうですね。
「君は誰?」とラクスに問いかけるキラ。キラもようやく、ラクスが見掛け通りのお嬢様ではないことに気付かされたようですね。それは視聴者の疑問でもあるかもしれません。
この二人。キラとラクス。二人だから強くなれる二人なのでしょうか?
発進直前、閉まるドアの向こうから手を振るラクスが見える演出が良いですね。
最後にキラのフリーダムとアスランのシャトルがすれ違うという、ちょっと出来すぎの演出。そこまでやらなくても十分です。十分すぎるほど良いモノを見せてもらいました。
と~のは、完全にファーストガンダムのストーリーラインからはみ出し始めたこの作品の舵取りをしなければならない福田監督を応援しています。
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